人は、照合値だけでは判断できない
重要操作の直前には、「誰に、いくら支払うのか」「どの権限を与えるのか」を人が理解できる言葉で示す必要があります。長い英数字の照合値だけを見せても、利用者は判断できません。
確認画面は、これから行うことを人が理解するための場所です。操作の目的や対象を整理し、誤りに気づけるようにする「人が読める確認の設計(Trust UX)」は、暗号技術とは別の重要な設計です。
機械は、見た目ではなく照合値を確かめる
一方、後から機械が検証するのは、画面の色や文章そのものではありません。業務システムが確定対象から作った message digest と、それに結びついた Passkey の署名です。内容が変われば照合値が変わるため、同じ証跡としては検証できません。
つまり「画面に表示したから署名済み」ではありません。人が読んだ内容と、照合値を作る元のデータが一致するように、業務システム側が設計し続ける必要があります。
二つの責任を、曖昧にしない
Clavis は、本人の Passkey と指定された照合値を結びつけ、検証できる証跡を返します。業務システムは、何を表示し、何から照合値を作り、その証跡を受けて何を実行するかを担います。
この分担を明示することが、誤解のない導入につながります。Clavis の証跡を、法令上の電子署名や QES と同等であるとは言いません。対象業務の要件に合わせて、別途評価する必要があります。